2021年も終わりが近づいてきました。
今回はボードとポイントに関するお話です。
というのも、11/27にMicahel van Gerwenが次のようなツイートをしました。
Both boards been hang up in practice room same time….. as a fan of darts and a professional I think certain points should be banned as it looks horrible on Telly and not fair on other players. What you guys think about it? @ITVSport @SkySportsDarts @OfficialPDC pic.twitter.com/3ouUEZhevq
— Michael Van Gerwen (@MvG180) November 26, 2021
簡単にいえば、
”練習用のボードがこんなにボロボロになってるし、(試合の場合を考えると)他のプレイヤー達に不利になるから(ボードをボロボロにする)ポイントを規制した方が良くない?”
という内容です。
これについての反応と私の意見についてお話ししていこうと思います。
このツイートを見た人の反応
これについて賛否両論ありますが、
- (選手側の)ポイントに規制をかけるべき
- (PDC側が)ボードの交換頻度を上げるべきだ
との声が多くみられました。
また、他の意見として、
- ダーツの抜き方が問題じゃね?
- もはやWinmauのボードにした方が良くね?
などの意見もありました。
ポイントの規制について
そもそも、ポイントにヤスリをかけて抜けにくくしたりすることはとても大事です。
わざわざやすりがけしなくても、ポイント自体にコーティングやカットなどで加工して抜けにくくしてあるポイントはすでに存在していますし、それが悪いことだとは思いません。
ハードダーツのルールとして、ポイントの先端がボードに触れていないと点数にならない、と決まっているので抜け落ちないように選手が工夫することは必要なことです。
Simon Whitlockが使用するポイント
この問題を取り上げると必ず出てくるのが、Simon Whitlockが使用するポイントの話です。
彼が使用するポイントはとてもかかりが強く、2020年のWorld MatchplayではMichael van Gerwenとの2回戦にて試合の途中にもかかわらずボードがボロボロになってしまったので交換する、と言ったことが起きました。
本人は
“ボードへのダメージについて色々話が出ているが、問題はボードが柔らかかったり固かったりと一貫性がないことで、ちゃんとしたボード(Simon自身は柔らかいボードが良いのでしょう)でならそのボードに合わせたポイントを使うよ”
“私だけでなく多くのプレイヤーが自分にあったポイントを使っているよ”
“私の使っているポイントは完璧にルールを守っており、それを使い続けるつもりだよ”
と発言していて、ボードへのダメージはないとの姿勢でいます。
この動画を見る限りでは、Simonがダーツを抜いた時に中の麻が飛び出ているのでボードへダメージを与えていないとは言えないのですが…
実際にDRAが発表しているルールではポイントに関する記述は“金属製のポイントの使用”のみとなっており、ポイントの加工に関する記述はないので現状はどんなポイントでも金属製であればルールに抵触しない、という風になっています。
ポイントは規制すべきか?
しかし、それでもボードへのダメージが大きいものは使用制限をかけてもいいのではないかと私は考えています。
実際にボードの柔らかい硬いは大きな問題ですし、それで刺さらなかったりした場合のフラストレーションは相当なものなのはわかります。
また、DRAのルールによれば選手自身もボードの変更を要求することができると書いてあるので、ボロボロになれば新しいものに交換するということも可能です。
ですが、ボードがボロボロになるとよりかかりの強いポイントを使用している選手が有利になってしまうのと、交換のタイミングによっては流れを強制的に断ち切ることもあると思うので不公平感が高くなってしまいます。
どこまで規制すればいいかはわかりませんが、少なくとも基準は設けてポイントの規制をするべきだと思います。
ボードの交換頻度について
ボードの交換頻度を上げればいいという意見も結構出ていました。
結論から言えば、私はこの意見には完全に賛成できません。
元オーストラリア代表のPaul Nicolsonは
“本当にボードへのダメージが大きくて交換の必要があればいつでも休憩の合間に交換することが出来る”
と発言しており、これはポイントのところでも触れたDRAのルールに基づいた話をしています。
実際にはTV放送の大会では1試合ごとにボードの交換を行い、それ以外の大会ではボードを回して使用し4回ほど回して使ったら交換、となっているそうです。
TV放送の頻度を上げるとすると休憩に入るたびに交換、TV放送以外では毎試合ごとに交換という頻度になるのでしょう。
こう考えてみるとTV放送以外はまだしも、TV放送の場合はボードの交換頻度を上げるのは現実的ではないと思います。
ただ、この画像をご覧ください。
T20のところですが、明らかに麻が飛び出ていますよね。
多少穴が空いたりしていることはよくありますが、さすがに麻が飛び出ている状態は視覚的にも気になりますし、ダメージが大きい分ダーツがしっかり刺さってくれるのか不安になるのも理解できます。
この状態でダーツを投げるのは私はちょっと嫌です。
ですので、選手がボードの交換を要求するのはいいけど交換頻度をあげるのは現実的ではない、というのが私の意見です。
ボードの品質を上げろ、という声
これはボードに関する問題が起きるたびに上がる声です。
”WinmauのBladeシリーズがいい”、”Gladiatorが至高”、”Eclipseにもっといい麻を使え!”などさまざまな意見が出ています。
ただ、この問題に関しては2021年の各メーカーの新商品発表会にて新たなボードが発売決定となり、実際にUNICORNから発売されたボードは既に大会で使用されています。
ですので、これに関しては新しいボードが問題を解決できているかをみてから話しても遅くはないと思います。
新しいボードについてはこちらからご覧ください
※2022/2/8追記
2022 Premier League of Dartsから、PDCオフシャルボードがUnicornのボードではなく、Winmauのボードを使用することになりました。
𝗧𝗵𝗲 𝗡𝗲𝘄 𝗘𝗿𝗮 𝗶𝘀 𝗵𝗲𝗿𝗲!
Every match will now be played on a @Winmau board as they are confirmed as the Official Darts Equipment Supplier to the PDC 🤝 pic.twitter.com/kVzEwsZouE
— PDC Darts (@OfficialPDC) January 31, 2022
正直この発表には驚かされましたが、今後の選手達の活躍の一助となるか楽しみですね。
おわりに
ポイントはハードダーツにとって大事な要素であり、選手も最大限のパフォーマンスを発揮しようと考えてさまざまな道具を使用しています。
今回の件はすぐに解決、というわけには行かなそうな問題ですがそれでも大会の運営側も選手側も一度は協議すべき内容ではないかと思います。
特に日本の公式戦は硬いボードを使用していることもあるので、仮に使用するポイントへの制限がかかったときにどうするべきかということも注意が必要になるかもしれません。
今後のPDCの動きを注意してみてみましょう!!