スタッキングはダーツの技術なのか?

SNSでも一時期話題になったりと、ハードダーツにおける技術の話において欠かせない話題の一つがスタッキングです。

スタッキングと聞いて、ギャリー・アンダーソンやエイドリアン・ルイスなど名プレイヤー達の名前も浮かんできているのではないでしょうか?

そんなスタッキングですが、『そもそもどんなものなのか?』『スタッキングを狙っているのか?』など気になることは多いと思います。

そこで、私の考えも含めてスタッキングについてお話ししていこうと思います!

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スタッキングとは?

はじめに『スタッキングとは何か』から触れていきましょう。

一般的にスタッキングとは、

後続のダーツを既に刺さっているダーツに当てることで
狙ったところにダーツを集める技術

と理解されています。

ネットに落ちているスタッキングについての記事を日本語・英語ともに読んでみましたが、大半の記事では、私が確認できる範囲内ですが同じような理解がされていました。

とはいえ、本当にスタッキングというのはこのようなものなのか・技術と呼んでいるが本当に技術として紹介することが正しいのか、など疑問に思う点もあると思います。

ですので、まずはこの一般的なスタッキングの解釈を踏まえて、スタッキングについて考察していきましょう。

スタッキングはダーツを狙って発生させるものなのか?

上記の通りにスタッキングに関して”すでに刺さっているダーツを当てること”と書いていますが、果たしてこれは本当なのでしょうか?

私も最初はこれを信じて、すでに刺さったダーツを狙って投げる練習をしていました。

しかし実際に先に刺さっているダーツを狙って投げると、スタッキングが起きるどころかむしろ狙ったところよりも上に飛んでしまうことがほとんどで、ロビンフッド(後続のダーツがすでに刺さったダーツのシャフトの隙間に刺さること)が起きることも珍しくなかったのです。

もちろん、私自身がダーツを同じように投げるということが出来ていない可能性や、単純に狙う技術が伴っていないということは考えられますが、それを抜きにしてもスタッキングの発生率の低さに驚きました。

このことから、スタッキングは技術というよりは『ダーツ同士が干渉した時に発生する現象』だという仮説を思いつきました。

この考えが正しいのかどうかを考えるために、さらにスタッキングに必要な要素について少し細かく考えてみたいと思います。

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グルーピングが必要だし、スローの質を高めることも必要

スタッキングの前提として、可能な限り同じところにダーツを投げられること(いわゆるグルーピング)が必要になります。

ダーツを同じところに集めるものではありますが、流石にバラバラに飛んでいったものまではスタッキングで集まることはありませんよね。笑

そう考えると『グルーピングをよくする』ためにも、自分のスローの質を高めていく必要がありますよね?

では、自分のスローを高めるためには何が必要なのでしょうか?

結論から言うと、スローの再現性を高めることが必要だと考えています。

まず、ダーツを投げることにおいて重要な要素を大きく2つに分けると『正確性』と『再現性』になります。

正確性と再現性についてわかりやすくすると

『狙ったところにダーツを投げる』

が正確性。

『同じスローを何度もできる』

が再現性です。

今回の目的であるグルーピングを上げるためには、狙ったところにダーツを投げる方法と、ダーツを3投同じように投げる方法のどちらかが出来れば自ずとダーツが同じところに集まる、というのは何となく理解できるのではないでしょうか?

再現性>正確性である理由

両方大事な要素ではありますが、私はダーツがグルーピングするためには正確性よりも再現性を上げることが大事だと考えています。

確かに、「正確性あげることでもスタッキング起きるんじゃない?」と言われればその通りですし、その考え方を実行して成果が出ているのであればOKです。

しかし、それでも再現性を上げるべきと考える理由があります。

それを

  • 再現性は正確性に比べて集中する時間が短く済むから
  • スタッキングのために既に刺さったダーツを狙う正確性があるなら、そもそも入れたいところを狙った方が楽だから

の2つの点から見ていこうと思います。

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再現性は正確性に比べて集中する時間が短く済むから

イライラ棒や豆を箸でつまむなど、何か正確に物事を行うには集中力が必要になります。

しかし集中力や体力も無限にあるわけではなく、使い続ければ疲れも出て集中するのが難しい、なんて経験をしたこともあるのではないでしょうか?

ダーツについて考えてみると、長い時間試合を行う場合もある中、正確性を重視するよりも体力や集中力の消費を抑えられる再現性を重視した方がいいのではないでしょうか?

これにまつわる話として、「集中力の限界」についての興味深い記事がありましたのでまずはご覧ください。

 精神科医であり作家でもある樺沢紫苑さんによると、人間の集中力には「15・45・90分の法則」があるそうです。人が深い集中を持続させられるのは15分程度。子供でも集中力を保てる時間は45分。小学校の授業時間、テレビドラマもCMを除けば45分程度です。そして最後に45分の2倍である90分。この時間は大人が集中していられる時間の限界です。

引用元:月間総務オンライン|においマネジメント【その9】人が集中できる時間は最大45分

ダーツの試合は日本では1日、PDCでは1〜4日間で行われることが多いです。

もちろん試合時間はその中でも数時間分ではありますが、体力も精神も削れていく中で集中力を維持するのはとても大変です。

仮に小さい的を狙うダーツに必要な集中力は15分しか持たないレベルであると仮定すると、ソフトダーツよりも比較的レグ数が多くなるハードダーツでは、再現性によるグルーピングが有効であると言ってもいいでしょう。

スタッキングのために既に刺さったダーツを狙う正確性があるなら入れたいところを狙えるから

これは言ってしまえば、『そもそも正確性が高いスローができる人にはスタッキングを発生させる必要性がないのでは?』という話になります。

このスタッキングというものは、より多くのトリプルを入れる・ダブルを入れる確率を上げる目的を達成するためのダーツの技術の一つ、と考えられています。

ですが、そもそも入れたいところに入れることができる人は基本的に何も気にせずに狙ったところに投げれば入るのスタッキングさせる必要性はなさそうですよね?

単純に入れたいところに投げればいいだけで、わざわざダーツを干渉させてダーツが弾かれるリスクがあるスタッキングをさせる理由はないと思いませんか?

とはいえ、『正確に狙ったところに矢を入れるゲームがダーツでしょ?』と考えることもできますので、ダーツを正確に投げることがいかに難しいかという話をしておきましょう。

次の画像をご覧ください。

T20を狙って、T20の上側にダーツが刺さったとします。

ここからスタッキングさせるにはダーツに当てる必要があるので、狙う場所は当然ダーツになります。

青枠の部分です

確かに、T20よりは目立つ上に狙う範囲が大きくなったと思います。

しかし本当にダーツを狙って当てているのでしょうか?

ダーツは数字にしてみると、相当シビアなゲームです。

どのくらいシビアなのかを簡単な例を出して説明すると、

・T20を狙う
・ブルからT20の下までの距離を8cm
・トリプルの縦の長さ約1cm
・日本人の平均身長を170cm
・日本人の目の高さが地面から158cmの位置

という仮定のもと実際にどのくらいの誤差が許されるかを簡単に計算してみました。

ここから目の位置からボードまでの距離を底辺a、目の高さとT20の高さの差を高さhとする三角形から角度を計算したときに、単純計算ですが手元で許される縦ずれのダーツの許容角度(上下)は約0.23度となります。

この角度は人間が調整できる角度とは到底思えません。

横ズレの許容範囲については、縦ズレほど厳しいとは言えませんがそれでも非常にシビアであることに変わりはありません。

このことから、ダーツを狙ったところに正確に入れることがいかに難しいかが理解できたのではないでしょうか?

こんな芸当ができるのであれば、別にスタッキングなんて発生しなくても良いと言えます。

狙った視線がずれていない

スタッキングが『すでに刺さったダーツを狙う技術』であると仮定した場合、狙う場所が”的→すでに刺さったダーツ”と変わるのが自然な流れだと思います。

実際にプロプレイヤー達の視線がどうなっているか確認してみましょう。

Gary Andersonのスローですが、1投目を投げてから2投目までの視線に注目してください。

動いていませんよね?

顔や視線が上下に動いていないのがわかりますか?

すでに刺さったダーツを狙うのであれば多少上に視線がいかないとおかしいですが、その様子が見られませんでした。

他のPDC選手達のスロー動画を確認しましたが、視線がズレることはなく同じところを狙って投げていました。

つまり、既に刺さっているダーツを狙って投げているとは言えないのではないでしょうか?

このことからも、少なくともスタッキングは『すでに刺さったダーツを狙っている』と言うことは出来ないでしょう。

おわりに

以上を踏まえて、スタッキングというものは

後続のダーツがすでに刺さったダーツに当たることで発生する現象

ではないかと私は考えています。

あくまでもこれは私の考えに過ぎませんし、間違いである場合もあると思います。

様々な意見があって然るべきものであります。私の意見が絶対に正しいと言うつもりはありません。

引き続き考察を続けていきますので、お時間がある時に記事を読んでいただけると幸いです。

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