皆さんはダーツが楽しくてつい投げすぎてしまったり、”もっと上手になりたい”と長時間投げ続けて、腕や肘・足が痛くなる経験がありませんか?
上手くなりたい・強くなりたいと思って、ついダーツの練習方法や上達方法に目が行きがちですが、それと同じくらい大事なことがあります。
それが、”休む”ことです。
今回は”休む”をテーマに色々書いていこうと思います。
あまりダーツのことに触れられていないと思いますので、そこはご了承ください。
休むことは悪くない
いきなりこんな見出しでスタートしますが、結論を言ってしまえば
”休むことは悪くない、むしろ休め”
です。
日本人の多くは、休むということに対してマイナスイメージを持ちがちです。
もっと言ってしまえば、罪悪感を感じている人が多いです。
色々な要因があると思いますが、大きく分けて
- 休んでしまうと実力が落ちてしまうと思って休むことができない
- そもそも休むほど練習に負荷がかかっていない
の2つが挙げられます。
それぞれについて少し話をしていきましょう。
休んでしまうと実力が落ちてしまうと思って休むことができない
結論から言えばそこまで心配する必要性はありません。
長期で休んでしまう(辞めてしまう)場合はどうしようもありませんが、2日程度休んだところで急激にレベルが下がってしまうことはありません。
技術的な部分に関して言えば短期間の休養がレベルの低下に大きく影響を与えにくいと言っていいでしょう。
というのも、技術面の多くは脳の制御方法の問題であるからです。
例えば、欧米へ旅行した際に箸を使う機会はめっきり減ると思いますが、だからと言って箸の使い方を忘れてしまうなんてことはないのと一緒です。
一方、筋力に関しては技術面に比べてレベルの低下が起きやすいです。
ただし、レベル低下が起き始めるのも大体2週間から始まり、3〜6ヶ月ほどでトレーニング前の元のレベルに戻ってしまうというスピードですので、短期間の休養に関しては心配しなくていいでしょう。
そもそも休むほど練習に負荷がかかっていない
「練習しても大して疲れないし、長時間投げてても問題ない」
という方もいらっしゃると思います。
基本的な体力が高くて疲れにくい人や、好きだからずっとしていたい人もいると思います。
ただ、休む必要がないほど疲れない場合は、練習内容や方法に問題がある場合があります。
特に初心者は、ダーツを投げる際に必要な力やフォームの取り方がわかっていない状態の人がほとんどで、その状態だと持っている自分の力を発揮するだけの技術がないと思います。
そうすると、どうしても練習をする際の負荷が低くなり、低い負荷の分をカバーするために長時間練習することになります。
この状態が続くと、変なクセがついて体に大きな負担をかけてしまうだけでなく、休む時間の確保が難しいので回復が間に合わず怪我してしまう可能性が高まるので危険です。
もっと追求すると、レベルアップするということは、一回あたりの自分の発揮する力が高くなるということです。
ざっくり言ってしまえば質が上がるということなのですが、その質を上げるためには自分の限界を少し超えるような負荷をかける必要があります。
そうなると、休まないで練習を続けるなんて無理だ!と思う方も増えるのではないでしょうか?
自分の限界を超える負荷に耐えるためにも、しっかり休んでコンディションを整える必要があるということです。
休まないと起きること
とはいえ、『そんな簡単に休めたら誰も悩んだりしないよ』という方もいらっしゃると思います。
そこで今度は『休まないとどのような問題が起きてしまうのか』について、肉体面と精神面の二つの視点から見ていきましょう。
肉体面
肉体面では、怪我のリスクが高くなることが挙げられます。
日本は昔から「毎日」「長時間」「頑張って」練習することがとても良いこととして認識されています。
このことを”努力”として取り上げていて、実際にそれを成し遂げている人がたくさんいます。
しかし、オーバートレーニングをして怪我をしてしまうと長期的に見ると成長が遅くなってしまうことが多い上に、たった1回の怪我が選手生命の終わりを告げてしまう、なんてことにもなりかねません。
怪我の例で言えば
- 野球肘
- テニス肘
- オスグッド
- 腱鞘炎
- 疲労骨折
などが挙げられます。
ダーツだと野球肘、テニス肘の方は多いのではないでしょうか?
実例というほどでもありませんが、私もオーバートレーニングで怪我をしてしまった経験があります。
中学生の頃の話で陸上の砲丸投げの選手だったのですが、部活の練習2時間半+自主練習をほぼ毎日続けていました。
ただでさえ投擲種目は体に一瞬にかかる負担が大きい種目です。
それを毎日長時間練習をしていたので、腰を悪くしてしまってそのまま引退することとなりました。
ダーツに関して言えば、他のスポーツと比較してもそこまで強度が高い練習が必要のないスポーツです。
ですので、そこまで深刻な怪我をする可能性は他のスポーツに比べて少ないと思いますが、気をつけるに越したことはありません。
※2022/2/11追記
過度の練習と結果についての他の方のツイートを見ました。
【3年前のデータ】
連日過度の投げ込みはパフォーマンスを低下させます。ブル率74%→59.5%
HAT率41.9%→21.6%睡眠時間を削っての投げ込みは身体が疲弊し次第に指先の感覚がなくなり…ぶっ壊れてました。ダーツ投げれなくなりました…ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
過度の投げ込みは連日続けない方がいいです。 pic.twitter.com/M12z4HaRpz
— すわーぶ@裕介 (@yutte09241213) February 11, 2022
オーバートレーニングは効果がないどころかむしろマイナス効果でしかないことがわかる実例です。
皆さんも気をつけましょう。
精神面
毎日同じことを続けることは心の疲れがたまるでしょうし、ダーツに限らず私生活の面でもストレスが続けば疲れの溜まり方が加速されると思います。
また、試合の中で感じる緊張感やプレッシャーは自分が考えている以上に疲れとして現れやすいです。
特にダーツはメンタルスポーツ、と言われるくらい精神面が大きく影響するスポーツなので、精神面での休息はとても重要です。
例えば、「寝られない」「だるさが解消されない」などが出てきた場合は、ストレスが溜まってきた時に現れる症状になりますので、当てはまる方はまずは休むことを優先しましょう。(ただ、どうしても投げたくなってしまう気持ちはとても理解できます。笑)
しっかり休もう
実は休むと言っても、休み方に種類があるのはご存知でしょうか?
休み方には積極的休養と消極的休養の2種類があります。
実際にどんな休み方なのか、それぞれの休み方で得られる効果はなんなのかを紹介していきたいと思います。
積極的休養
積極的休養は、軽めに体を動かすことで体内の疲労物質を排出しやすくなる効果が期待できる休み方です。
運動部だった方(現在運動部の方も)には、クールダウンはまさに積極的休養のわかりやすい例でしょう。
具体的な方法としては、ストレッチ・ウォーキング(水中も可)・ジョギングなどです。
積極的休養の効果は、
- 呼吸循環系を刺激することで疲労物質を排出すると同時に、酸素や必要な栄養素を素早く届けること
- 自律神経のバランスを整えることでストレス改善
- 筋肉痛の解消・硬化した筋肉のケア
などがあります。
本当に軽めの運動をするだけでOKで、ダーツを終えた後にストレッチでも十分効果が期待できますので是非やってみてください。
消極的休養
一方、消極的休養は体を動かさずにゆっくり休むことで、一般的に”休む”と言うとこの消極的休養のことを指しています。
具体的には、睡眠・家でゴロゴロする・森林浴などがあります。
効果はもちろん、肉体的な疲労回復です。
とても手軽ですし、皆さんもやっているものだと思いますが、消極的休養は気をつけなければいけない点があります。
それは、長く消極的休養をとってしまうとかえって疲れが溜まってしまうことがあります。
と言うのも、消極的休養をとると副交感神経が優位な状態になり、心拍・血圧の低下が起きます。
そうなると、血流の速度が落ちて体に溜まった疲労物質が体内に残りやすくなり疲れやすくなってしまうことがあるのです。
ですので、長い休養を取る場合には気をつけましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
練習に一生懸命になることはとても良いことなのですが、自分の体のコンディションを整えることもとても大事なことです。
休まず練習して痛みや怪我を抱えたままプレーをしていると、長い目で見た時に楽しくダーツができなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
そうならないために、また最高のパフォーマンスを発揮するためにも、練習方法や休養の時間などを考えてダーツを楽しんでみてください!!