Gerwyn Price(ガーウィン・プライス)のスローを見てみよう!

スロー分析 ©︎ 2019 Dartsfan1234

“スローを見てみよう”シリーズ第1弾ではピーター・ライトのスローを見てみましたが、今回第2弾はガーウィン・プライスになります。

2021ワールドチャンピオンシップにて優勝し、2022ワールドチャンピオンシップでも9ダーツを達成と強さ・実力ともに折り紙付きのプライスのスローを早速見ていきましょう!!

(もしも第1弾を見ていない方は、下から見れます)

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ガーウィン・プライスの略歴

ガーウィン・プライスの基本情報を見ていきましょう。

名前Gerwyn Price
生年月日1985/3/7(37歳)
身長178cm
ニックネームThe Iceman
ダーツRed Dragon 24g
ウォークオンソング“Roar” by Katy Perry
©︎2019 Sven Mandel

2022年時点で37歳のプライスですが、彼がダーツを始めたのは25歳、ツアーカードを取得してプロデビューしたのも29歳とPDCプレイヤーの中でも遅めのデビューです。

よくあるパターンとしては、何かしらのスポーツを小さい頃から始め、それを長い間続けることによって一流のアスリートになるパターンがあると思いますが、ダーツに関して言えばこのように遅咲きだったとしてもトップアスリートになれる可能性があることがわかると思います。

とはいえ彼の場合は少し特殊で、ダーツ選手として活動を始める前にプロのラグビー選手でフッカーとして活躍していた経歴があります。

画像を見てわかるように筋骨隆々ですよね!

そのラグビーで鍛えられた屈強さと器用さ、そしてスローインでの正確性がダーツに生かされており、今ではPDCトップランカーの一人として一目置かれる素晴らしい選手の一人です。

プライスのプレースタイルは、当初ヒール役として知られ、相手を煽ったりイラつかせるようなパフォーマンスをして観客からブーイングされることもしばしばありました。

ダーツはメンタルスポーツと言われているので、このようなパフォーマンスによって相手をイラつかせて調子が崩れた隙を逃さず相手を倒すプレーが目立っていました。

現在はそのようなプレーはほぼなくなっていますが、今でも観客からのブーイングが一定数残っていることからあまりいいイメージを持たれていない選手なのかもしれません。

実際に2023ワールドチャンピオンシップでは、プライスが耳当てをして出場するなどの珍事が起きるほどだったので、余程のことが起きていたのでしょう。

また彼のプレースタイルの特徴の一つがアレンジにも表れています。

プライスはD20・D10・D12の3種類のどれかでチェックアウトすることがほとんどで、一時期はダブルで上がった数字の中でD20が80%を占めていた、という話があったりするほど徹底しています。

実際に試合で見ていても、体感としてプライスのダブルの頻度は

D20>>D12>D10>D18≒D16

くらいになっているんです!

もしも本当なのか気になる方は試合を見てみてください。

最後に触れておこうと思うのは、彼のニックネームについてです。

ダーツは他の競技にはない珍しい制度があり、選手にニックネームがついていることがあります。

プライスのニックネームでもある”The Iceman”は彼の友人から提案されたもので、ウォークオンソング(選手の入場曲)として使っていた『Ice Ice Baby』とも関係付けた名前がそのままニックネームになったという話があるそうです。

実際のプレースタイルからはどう考えても熱いタイプだと思うのですが、あまりその辺りは関係ないようです。

スローを見てみよう!

色々とガーウィン・プライスの情報を知ったところで、早速彼のスローを見ていきましょう!

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グリップ

彼のグリップは親指・人差し指でバレルの前方を、中指をポイントにつけるいわゆる3点グリップになっています。

引用:https://www.royalbluedk.com/darts_jp/how-to-grip-darts/

バレルの前方をグリップする選手の多くは、中指をポイントの下に入れて支えるようなグリップになるのですが、プライスは中指をポイントの上に置いています。

この中指はグリップを安定させるだけではなく、セットアップした際必要以上にダーツが上を向かないようにするための補助としても役に立ちます。

このような指先でダーツを持ち、リリースの際もスムーズに手からダーツが離れていきやすいグリップはある種の理想形の一つと言ってもいいでしょう。

立ち姿

次は立ち姿です。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=mcK9ToWHPz8

首元から左足にかけてまっすぐ一本つながっているかのような立ち方ですが、体の軸は首元〜右足に通ったものになっています。

PDCデビュー時に比べるとスタンスが前傾になっていますが、それは右足がよりクローズドスタンスに近づいたことが大きな要因でしょう。

彼の立ち方の最大の特徴は、オキの右側に立っていることです。

ブルから12インチも右に立っているとのことですが、ダーツボードの直径が約13インチであることを考えると、ほぼボード1枚分も右にズレて立っているということになります。

彼のこの立ち位置はサイトライン(両目と狙いを定めた場所とを結ぶ直線)の観点から見ても素晴らしく、特に右足と腰の位置は、右肩と投げる腕がターゲットに完全に一致するようになっています。

実際にプライス本人は、立つ時の『足』よりも『肩』の位置を気にしているそうで、とても理に適った立ち位置を取れているということになります。

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スロー

ここからスローになります。

一概にスローと言っても多くの工程があったりするので、少し場面を分けて見ていきましょう!

セットアップ

プライスは投げる際にセットアップを行います。

©︎2019 Sven Mandel

彼のセットアップは、前腕が他のPDC選手に比べて前に出ているところが最大の特徴です。

『こんなに前に腕を出してセットアップすると、テイクバックした際にズレが大きくなるのでは?』と思う方もいらっしゃると思います。

その疑問も彼のセットアップを見てみると解決できると思います。

下の動画で彼のセットアップを後ろから見てみると、フライトがサイトラインと一致するように取っているのがわかると思います。

このセットアップのおかげで、プライスはどこに狙いを定めているのかを確認しながらダーツを投げることができるので、このままテイクバックしてもズレたりする可能性を減らすことができるのです。

テイクバック・リリース

プライスのテイクバックはシンプルで、ダーツがサイトライン上を通るように肘を中心に腕を折り曲げて、上唇の真ん中あたりにフライトが当たるかどうかまでダーツを持ってきます。

©︎ 2019 Sven Mandel

このテイクバック位置は、プライスのサイトラインから外れることはなく狙ったところに投げるための完璧な位置となっています。

彼が180を量産したり、上がる際にD20を積極的に狙う理由もこのテイクバックの位置が一役買っているのでしょう。

リリースに関しての注目すべきポイントは、指と手首にあります。

彼のリリースは力強い印象を受けますが、よく見てみると『腕を振る』というよりも『スナップを効かせる』に近いものです。

他のPDC選手たちに比べて、圧倒的に手首が返るスピードが速いのが見て取れると思います。

©︎ 2019 Sven Mandel

もう一つ注目すべき点は、テイクバックの最下点からリリースまでに肘の高さが同じであることです。

ダーツを投げるコツを調べた時に出てくる『肘を固定する』というものの典型と言えますね。

フォロースルー

プライスのフォロースルーは前から見ると狙うターゲットと手・腕・肩が一直線に伸びているのが特徴です。(こちらから確認できます。)

これが示すことは、自分の投げたダーツが狙うターゲットの方向へしっかり力が伝わっているということです。

もし自分のダーツが狙ったところへ行かないというのであれば、一度自分で動画撮影をして確認して見ましょう!

詳しくは下の記事をお読みください。

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おわりに

いかがだったでしょうか?

自分の投げ方等に参考になる部分があれば幸いです。

これから他の選手もやっていこうと思いますので、興味があれば読んでみてください!

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