『もっとダーツを上手くなりたい!』と思って、ダーツの投げ方など色々調べる人は多いと思います。
調べている中で、必ずと言っていいほど『裏抜き』という言葉に出会うと思います。
この言葉はハードダーツに限らず、ソフトダーツでも注目されとても流行した言葉ですよね!
そんな『裏抜き』ですが、実際にネットで調べてみると『裏抜き』について多くの記事があるものの、解釈の違いが多く見られるんです。
今回はそもそも裏抜きとは何か、メリットは何?などを含めて私なりの裏抜きの解釈を含めてお話ししていこうと思います。
裏抜き・表抜き・芯抜きとは?
『裏抜き』という言葉はDollyさんが発信したことから広まった言葉ですが、そもそも『裏抜き』とは一体何なのでしょうか?
ネットで調べ『裏抜き』についてまとめてみると
- ダーツをリリースしたタイミングでのダーツの進行方向に対する角度を分類したものである
- 加えてダーツがボードへ刺さる時の角度の分類も組み合わせたものでもある
の2つが主な説明となっています。
確かにこの解釈自体が間違っているとは思いませんが、
- 1つ目の説明はもう少し細かく定義すべきではないか?
- 2つ目の説明は『裏抜き』によって得られる効果であって、『裏抜き』そのものではない?
と私は感じたので、あらためて『裏抜き』について私なりの解釈をすると
ダーツをリリースし始めてからダーツが放物線の頂点に達するまでの間における、ダーツの進行方向とダーツの角度の関係性を分類したもの
と表すことができます。
以降はこの解釈を『裏抜き』として話を進めていきます。
裏抜きについてよくある誤解
『裏抜き』でよく誤解されているな、と感じることが
- 裏抜きする投げ方の存在
- ダーツのグリップ位置と裏抜きの関係性
- ダーツの刺さる角度と裏抜きの関係性
の3つです。(もしも他視点が見つかれば随時更新していきます。)
この記事を読んでくださっているあなたも、おそらく他の『裏抜き』について書かれている記事を読んできたことでしょう。
これらの誤解される点について、何が誤解されるのか、そもそもなぜそのような誤解が起きてしまうのかをサクッと見ていきましょう!!
裏抜きする投げ方の存在
結論から言えば、『裏抜きする投げ方』は執筆時点では存在しないと考えています。
確かにPDCプレイヤーの多くが裏抜きの状態でダーツが飛んでいるので、彼らは『裏抜き』をさせてダーツを投げていると思っても不思議ではありません。
ですが、フィル・テイラーやウェイン・マーデル、ポール・ニコルソンなどダーツ界のスーパースター達がDVDやYouTubeなどでダーツの投げ方を紹介していますが、その中で『裏抜き』に該当するような内容どころか、そもそもダーツの飛びについて一切触れていないのです。
それに加えて、『裏抜き』ははじめから飛行姿勢の話であったはずなのに、何故か投げ方・飛ばし方の話になってしまいます。
このことから、彼らを含む海外プレイヤー達はおそらくダーツの飛行姿勢については投げ方よりもセッティングなど他の要素で決まるものだと考えているため、投げ方とダーツの飛行姿勢と結びついていないのではないか、と私は考えています。
あくまでも裏抜きは『ダーツの飛行姿勢』の分類であって投げ方ではありません。
おそらく、裏”抜き”と動作を示す言葉がついてしまっていることも原因だと思いますが、あくまでもダーツを投げた後の結果をわかりやすく分類するための言葉であって投げ方そのものではなく『ダーツを投げた結果、裏抜き状態で飛んでいった』が正しいのではないでしょうか?
ただ、この言葉が知っている人には簡単に伝えられるとても便利な言葉ではあるのでつい使ってしまうことは多々あるんですが…笑
ダーツのグリップ位置と裏抜きの関係
そうはいっても、裏抜きになっているダーツの飛び方に憧れている方は多いでしょう。
その裏抜きを実現するためにいろいろな方法がありますが、多いのはダーツのグリップ位置を重心よりも後ろにして投げる、という方法です。
Adrian Lewisなんてまさしくその飛び方の典型例ですが、彼はグリップを後ろにして綺麗に飛ばしていますよね。
これに関してですが、グリップ位置は大きな問題ではないと思います。
というのも、Ian Whiteのスローを見て見ましょう。
彼は前持ちにも関わらずダーツは見事な裏抜きとなっています。
バレルのグリップ位置が裏抜きで飛んでいくことに関してあまり大きな影響を与えているとは言えず、ダーツに対して加える力の方向の問題なのではないでしょうか?
裏抜きの状態でダーツを飛ばすことを考える前に
結論から言えば、ダーツの刺さり方をまず考えるべきだと思います。
というのも、ハードダーツはルール上ポイントの先がボードに触れていないと点数として認められません。
ですので、原則ボードにしっかりと刺さることがとても重要になります。
ただただ裏抜きをしたい、というだけでなく
どうしたらしっかり刺さるか→しっかり刺さるためのダーツの飛びは何か→どのようにすればその飛びを実現できるか
のように考えた上で、自分の投げ方やセッティングを変更してダーツの飛びを修正していくべきでしょう。
実際にフィル・テイラーも彼特有のダーツの飛び方をしていますが、それを実現するために何年も研究して作り上げたものであるという話があります。
結局はただリリース時のダーツの角度上向いていたり下向いていたりすることを求めるのではなく、何を求めてどうしたいかをしっかり考える必要があるということです。
ダーツの刺さる角度と裏抜きとの関係性
これに関してよくあるのが以下のような関係性です。
リリース時 | ボード着地時 | |
裏抜き | ポイントが進行方向に対して上向き | ポイントが進行方向に対して下向き |
表抜き | ポイントが進行方向に対して下向き | ポイントが進行方向に対して上向き |
芯抜き | ポイントが進行方向とほぼ同じ向き | ポイントが進行方向とほぼ同じ向き |
こんな感じで説明されてることが多いのですが、表抜きに関してはあまり関係がありません。
とてもわかりやすい例を挙げると、松田純は表抜きですがボードに刺さる時はポイントが下向きになっていますし、PDCプレイヤーで言えばGary Andersonが表抜きに近い挙動でダーツが飛んでいます。
表抜きの場合はダーツが飛んでいる間に上下することが多く、タイミングによってポイントが上向きに刺さったり、下向きに刺さったりと投げ方によって刺さり方が代わるので一概に善意がこうであるとは言い難いです。
Barneyも表抜きに近い飛びをしていますが、フライトの大きさで刺さり方が変わっている点を考えると、ダーツの刺さる時の角度はセッティングによって変化しているといっていいでしょう。
動画を見ていただくとわかりやすいと思いますが、Barneyはフライトの面積が小さめのものを使用しており、スタンダードフライトを使用している時よりもダーツが下向きに刺さっているのがわかると思います。(特に141残りの2本目、T19に入った時の刺さり方が1番わかりやすいかので注目です!)
このことから、「投げ方と刺さり方は必ずしも一致しない」「刺さり方にフライトが大きな影響を与えている」ということがわかると思います。
とはいえ、この2つのこと以外にもシャフトの長さ・ダーツの重心の位置など他の変数による影響も否定できないので、この章ではとりあえず「投げ方と刺さり方は必ずしも一致しない」ことだけ覚えておきましょう。
おわりに
裏抜きだけに限らず、表抜き・芯抜きも飛行姿勢の分類だよ、ということだけ覚えていただければと思い今回記事にしました。
ダーツの飛びを気にする方がとても多いですが、私は基本同じように飛んでいてしっかり的に刺さればどんなものでもいいと思っています。
”裏抜きでないとダメ”なんてことはありませんし、自分が納得しているものを信じて磨き続ければそれが正解になる類のものですので、とりあえずダーツを楽しんでいきましょう!!